確かなのは費用だけ
これからいくら得られるかは誰にも分かりませんが、取引のたびに費用が出ていくことは確かです。ですから動かせない利益より、動かせる費用を先に管理するほうが理にかないます。頻繁に売買するほど、この確実な損失が繰り返し積み重なります。
利益は不確かでも費用は確実に出ていきます。何層にも重なる売買費用、手数料無料の実態、1%が生む差、投資信託の見えない費用、一年分の計算方法をまとめました。
これからいくら得られるかは誰にも分かりませんが、取引のたびに費用が出ていくことは確かです。ですから動かせない利益より、動かせる費用を先に管理するほうが理にかないます。頻繁に売買するほど、この確実な損失が繰り返し積み重なります。
画面に表示される手数料だけを数えると、実際の費用を見落とします。売って買う1往復には、いくつもの項目が付きます。
手数料を取らないとしても、買う値と売る値の差は残っています。この差が実質的な費用であり、取引の少ない資産ほど広くなります。また手数料の免除にはたいてい期間や条件が付くので、条件が終わったあとの料率を確かめておくほうがよいでしょう。
差益に税がかかる制度では、売るたびに税が確定します。同じ資産を長く持てばその時点まで税が先送りされ、先送りされた分も動き続けます。頻繁に売買すればこの効果は消えます。税率や控除の基準は国と時期によって違うので、現在の規定を確認する必要があります。
年1%の費用の違いは、1年だけ見れば小さく見えます。しかし同じ利益率から毎年1%ずつ差し引けば、長い期間のあとの最終的な金額は目に見えて分かれます。商品を比べるとき、期待できる利益率だけでなく総経費と取引の費用を合わせて見る習慣が必要な理由です。この文章は費用の仕組みを説明するだけで、特定の商品を勧めません。
費用がどのくらいになるのか見当がつかないなら、過去一年の取引をもとに自分で計算してみるのが一番確実です。一年間に売買した総額を求め、そこに往復の手数料率と売却時にかかった税金を掛けます。スプレッドとスリッページは正確に測るのが難しいですが、注文した時点の気配値と実際の約定価格の差を数件確かめるだけでも、おおよその大きさが見えます。こうして求めた総費用を平均の投資元本で割れば、年間の費用率が出ます。取引が多い人は、この数字が思ったよりずっと大きくて驚くことがよくあります。証券会社の年間取引明細をダウンロードすると計算が楽になります。
自分で売買しない投資信託や上場投資信託にも費用があります。一番見えやすいのは信託報酬などの総経費で、運用・販売・管理の報酬が毎日少しずつ資産から差し引かれます。口座から別に引かれるのではなく基準価額にすでに反映されているので、実感しにくいのです。そのほかにも、ファンドの中で銘柄を売買する時の費用、上場商品を売買する時のスプレッド、一部のファンドの販売手数料や解約手数料があります。商品説明書に総経費のほか実際の負担費用をまとめて示した項目があれば、そこまで確認する方が確実です。
費用を減らす最も直接的な方法は、取引の回数を減らすことです。そのためには、取引を起こすきっかけを前もって減らしておくのが効果的です。購入と点検の日程を決めておき、その間は注文しない原則を立てる方法や、比率が一定の範囲を外れた時だけ調整するという規則を使う方法があります。成行注文の代わりに指値注文を使えばスプレッドとスリッページを減らせますが、約定しないことがある点は考えておく必要があります。出来高の少ない銘柄は費用が大きくなるので、同じ目的なら取引の活発な商品を選ぶのも一つの方法です。この記事は費用の仕組みを説明するだけで、特定の売買方法を勧めるものではありません。
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